上の表をどう読むか
難問のこの10枚を解くのに必要な手筋は、唯一候補法と隠れ唯一候補法を含めて10種類です。上級の10枚は唯一候補法・隠れ唯一候補法・ロックされた候補・隠れトリプルの4種類で足りていたので、種類の数だけでもほぼ倍に増えています。
境目はロックされた候補ではありません。この難問10枚でもロックされた候補は6問で使いますが、外しても10問とも解けます。それだけなら上級の延長にすぎません。決定的なのはXY-Wingで、10問とも、これが無いと解けません。上級では1問も出てきませんでした。この10枚を「難問」とひとまとめに呼べる理由は、手がかりの数ではなくXY-Wingが全問で要ることにあります。
さらに、X-WingとSwordfishという「魚の手筋」――複数の段と列にまたがる並びから候補を消す手筋――が、このページで初めて登場します。X-Wingは5問で使いますが外しても解けます。Swordfishだけは違って、2問はこれが無いと解けません。中級の10枚(唯一候補法と隠れ唯一候補法の2つだけで解ける)にも、上級の10枚(ロックされた候補と隠れトリプルまでで解ける)にも、魚の手筋は出てきません。難問から先でしか出会わない手筋です。
手がかりの数で見ると、この10枚は中級10枚と同じ平均28個です。最小は24個で、中級10枚(26〜30個・平均28個)にも上級10枚(26〜31個・平均29個)にも無い少なさです。それでも解くのに要る手筋は10種類まで増えています。手がかりが少ないほど易しいわけではなく、むしろ逆の実例がここにあります。束から1枚選ぶ基準にするなら、手がかりの数字ではなく必要な手筋の顔ぶれです。
言い換えると、中級から難問まで手がかりの平均はほとんど動かないのに、要る手筋の種類だけが2種類→4種類→10種類と増えていきます。紙を配る前に難易度を見分けたいなら、手がかりを数えるより、このページの表がどの手筋まで並んでいるかを見るほうが早く判断できます。
上級までの4手筋に慣れている人でも、XY-Wingを知らなければこの10枚は途中で止まります。逆に言えば、XY-Wingさえ押さえれば大半のマスは動くようになり、そこにX-WingとSwordfishを足せば最後まで届く、という見通しが立てられる10枚でもあります。
もっと手筋を絞って解きたい方は上級、まずは基本の2つだけで慣れたい方は中級をどうぞ。
難問で手が止まったときの手順
難問で行き詰まる場面のほとんどは、段・列・ブロックを見ても候補が2つ以上残っていて、ロックされた候補やペアの手筋だけでは絞りきれない、という状況です。
先に唯一候補法・隠れ唯一候補法で埋まるマスを全部埋め、次にロックされた候補とペア・トリプルの手筋で候補を削り切ってから、次の2つに進むと無駄がありません。これらを先に済ませておかないと、候補が減りきっていないマスばかりでXY-Wingの相手を探すことになり、見つかるはずの形を見落とします。
1. まずXY-Wingを疑う
候補がちょうど2つだけのマスを3つ探します。1つを軸(P)とし、Pと同じ段・列・ブロックのどれかを共有する2つのマス(QとR)を見つけます。Pの候補が「2・7」、Qの候補が「2・9」、Rの候補が「7・9」だったとします。QとRの共通候補は9です。QとRの両方から見えるマス(Qのいる段・列・ブロックとRのいる段・列・ブロックの両方に入るマス)があれば、そのマスの候補から9を消せます。Qが9でなければPが2ではなく7になりRが9になり、逆にRが9でなければPを通じてQが9になるからです。どちらに転んでも、両方から見えるマスには9が入りません。この10枚は全問がここまで要るので、候補が2つだけのマスを見つけたら、まずつながる相手を探すのが近道です。
2. 魚の手筋は、出番が来る問題を選んでから探す
X-Wing はこの10枚のうち5問、Swordfish は2問で登場します。 どちらかが要る問題は10問中6問なので、4問では出番がありません。 XY-Wing まででどうしても動かない問題に当たったときだけ探せば足ります。 どちらも「ある数字の入る列が、いくつかの段で同じ数の列に収まっている」形で、 見つけ方と具体例は 難問ナンプレの攻略 に書きました。
このほかに、ロックされた候補(6問)・ネイキッドペア(2問)・隠れペア(1問)・ ネイキッドトリプル(1問)・隠れトリプル(1問)も使います。 名前と仕組みはナンプレ上級テクニック で確かめられます。 手が止まったまま動かないときは、たいてい手筋そのものより候補の書き漏らしが原因です。XY-Wingは候補がちょうど2つのマスを起点に探すので、候補を3つのまま書き落としていると、そのマスが起点として見えなくなります。X-WingとSwordfishも同じで、ある数字の候補をどこかのマスで消し忘れていると、対象の列や段が1つ多く見え、形が成立しているのに気づけません。詰まったらまず、直前に消せるはずだった候補が残っていないかを1マスずつ見直してください。
この10枚の中でも、必要な手筋の組み合わせは1問ごとに違います。XY-Wingまでで最後まで届く問題もあれば、そこにX-WingやSwordfishまで重ねて初めて解ける問題もあります。1問目で使った手筋が2問目でも同じ順番で効くとは限らないので、行き詰まったら1と2の手順に一度戻って探し直してください。
この盤面はどう作っているか
魚の手筋が出てくるのは、上限をどこに置くかを決めた結果です。
難易度は手筋に段位を振って決めています。唯一候補法が1、隠れ唯一候補法が2、 ロックされた候補とペア・トリプルが3、そして X-Wing・XY-Wing・Swordfish が4。 問題を解くのに必要だったいちばん高い段位が、その問題の難易度になります。 難問はこの4段目に上限を置いたページです。魚の手筋がここで初めて出てくるのは、 上級(3段目まで)の上限では魚が要る盤面を作れないからで、順番が逆ではありません。
抜き方そのものは他の難易度と同じで、1組抜くたびに 「答えが1通りのままか」と「4段目を超えないか」の2つを見て、外れたら戻します。
上限があることが、超難問との違いです。 超難問には上限がありません。 手筋を全部当てても動かなくなった盤面がそのまま超難問になるので、あちらは10問とも 手筋だけでは最後まで行きません。難問の10枚は10問とも手筋だけで最後まで解けます。 当てずっぽうで置いて戻る必要はありません。そこが境目です。 抜き方と検算の共通の仕組みは問題・線画の作り方にまとめています。