配る前に知っておくこと
このページは、機能訓練やリハビリの時間に配る紙を探している職員の方に向けて書いています。盤面は9×9で、通常のナンプレと同じ構成です。このページで大事にしているのは、難しさそのものではなく、鉛筆を持って数字を書き込むという動作です。81マスの中の空いているマスへ、数字を1つずつ収めて書き込んでいく、その動作を繰り返せるように余白を配置しています。
配る紙を選ぶときに見てほしいのは、何問解けるかではなく、1枚の中で何回鉛筆を動かすことになるかです。マスが空いているところにはすべて数字を書き込む必要があるので、盤面が埋まっていくにつれて、書き込む回数もそのまま積み上がっていきます。
盤面の大きさをあえて4×4や6×6にしていないのは、書き込む回数そのものを減らさないためです。9×9であれば、1枚の中で数字を書き込む場面が何度も出てきます。1回書いて終わりではなく、同じ動作を紙の中で繰り返せる作りにしています。
難易度を比べたい場合は高齢者向けナンプレを参照してください。あちらと同じ、唯一候補法だけで最後まで解ける水準にそろえています。この難易度をそろえているのは、書く動作の途中で手が止まらないようにするためで、易しさを競うためではありません。
書く動作にあわせた紙の作り
この10枚は、片手で紙を押さえながらもう片方の手で書き込めるよう、盤面の周りに余白を配置しています。利き手でない側の手で紙のふちを押さえ、利き手で数字を書き込む、という持ち方を想定した配置です。
紙を押さえる手は、盤面のどの位置に書き込んでいても、同じふちを押さえたままでいられるようにしています。書き込む位置が変わるたびに紙を持ち直す必要がなければ、押さえる側の手はそのままの姿勢を保てます。盤面の四辺いずれからも同じだけの余白を取っているのは、この持ち方を左右どちらの手でも使えるようにするためです。
マスの中に数字を収めて書く、という動作自体がこの10枚の中心です。1マスごとに数字を書き込む場面が多いほど、この動作を繰り返す機会も増えます。必要な解き方は唯一候補法だけで、10問とも実際に解き直して確認しています。手筋を考える時間よりも、書き込む動作そのものに時間を使える組み方です。
マスの並びや線の太さは、通常のナンプレと変えていません。変えているのは盤面の周りの余白だけです。見た目の難しさや華やかさを足すのではなく、書き込む場所以外の情報を増やさないことを優先しています。
配るときに気をつけたいこと
高齢者向けナンプレは、レクの時間に解いて楽しむことを目的にした10枚です。このページはそれとは狙いが違い、書く動作を繰り返すことを目的にしています。難易度はどちらも唯一候補法だけで最後まで解ける水準にそろえていて、どちらが易しいかを比べる作りにはしていません。
紙を配るときは、利用者さんの利き手側にペン先を動かせるだけの余白があるかを確認してください。机の上で紙が動いてしまう場合は、下にすべり止めのシートを敷く、テープで軽く紙を留めるといった対応で、押さえる手の負担を減らせます。鉛筆を握りにくいときは、太めの軸に持ち替える、軸に輪ゴムを巻いて滑りにくくするといった工夫も現場ではよく使われています。書きにくそうな様子が見えたら、1枚を最後まで書き終えなくても、途中で区切ってかまいません。
机の高さも書きやすさに関わります。ひじが机の面より下がりすぎていると、紙を押さえる手にも書く手にも余分な力が入りやすくなります。車いすのまま机に向かう場合は、机の下に脚が入るだけの高さがあるかも合わせて見ておくと、姿勢を崩さずに書き続けやすくなります。紙の向きは、利き手が右か左かで変えてかまいません。左手で書く方には、盤面を左右反転させずそのまま、押さえる手の位置だけを逆にする使い方で問題ありません。
配る枚数は、1回の時間で1枚を目安にしてかまいません。9×9は81マスあるので、初級であっても書き込む数字の数は4×4や6×6より多くなります。1枚を最後まで書き終えることをその日の目標にせず、書き込めたところまでで区切って、続きは次の回に回すという使い方もできます。答え合わせをするかどうかも、その日の様子で決めてかまいません。数字を書き込む時間を優先したい回は、答え合わせを翌回にまわしても差し支えありません。
この盤面はどう作っているか
この10枚を作る過程で調べた組は550でした。そのうち263組を実際に抜き、287組は元の数字に戻しています。戻した理由の内訳は、答えが2通りになってしまうというものが260組(90.6%)、唯一候補法の範囲を超えてしまうというものが27組(9.4%)でした。完成した盤面を最初から作り直した回数は、この10枚では0回です。
9×9の盤面で唯一候補法だけの範囲を保とうとすると、抜いた組の半分以上を元に戻すことになります。550組を調べて263組しか受け入れられなかった、という比率がそれを示しています。9×9は4×4や6×6よりマスの数が多い分、確かめ直す組み合わせの数そのものも増えます。検算や難易度の分け方など、共通の仕組みは問題・線画の作り方で説明しています。配ってよい範囲は利用規約で確認できます。